バイク駐車場がない・少ない理由と出先で停められないときの対処
最終更新: 2026-09-04

バイクの駐車場が見つからないのは、探し方が下手だからではありません。四輪より約50年遅れて駐車場法の対象になった経緯と、駐輪場の制度が原付までを想定してきた事情が重なり、そもそも受け入れ先が限られているからです。すぐにできる対処は、候補を複数持つこと、徒歩5分ほどまで範囲を広げること、自分の排気量で絞って探すことの3つです。
「バイクの駐車場がない」は気のせいではない
バイク(オートバイ)を停める場所を探して、同じ区画を何周もした経験は多くのライダーが持っています。これは感覚の問題ではなく、国の統計にもはっきり出ています。
国土交通省の資料によると、自動二輪車が停められる駐車場は、駐車場法が自動二輪車を対象に加えた2006年度に249箇所でした。2023年度末には3,274箇所まで増え、駐輪場での受け入れを含めると5,668箇所になります。数だけを見れば、この20年近くで確実に増えています。
問題は、バイクの台数に対して足りているかどうかです。2023年度末時点で、保有1,000台あたりの駐車スペースは四輪の自動車が71.5台、自動二輪車が50.8台。しかも自動二輪車の50.8台のうち39.6台は駐輪場(自転車等駐車場)が受け入れている分で、自動二輪車向けの駐車場そのものは11.3台にとどまります。
| 項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 自動二輪車駐車場の箇所数 | 249箇所 | 2006年度 |
| 自動二輪車駐車場の箇所数 | 3,274箇所 | 2023年度末 |
| 駐輪場での受け入れを含めた箇所数 | 5,668箇所 | 2023年度末 |
| 保有1,000台あたりの駐車スペース(自動車) | 71.5台 | 2023年度末 |
| 保有1,000台あたりの駐車スペース(自動二輪車) | 50.8台 | 2023年度末 |
使う側の受け止めも同じ方向です。日本自動車工業会が2019年に行った調査では、二輪車ユーザーの6割以上が駐車場の箇所数に不満を持っており、「とても不満」と答えた人は東京都で40.7%、地方都市圏で34.4%でした。停める場所がないという実感は、広く共有されているものです。
なぜバイクの駐車場は少ないのか

理由は大きく3つあります。どれも施設側の怠慢というより、制度の作られ方と時期に由来しています。
駐車場法の対象になったのが2006年だった
駐車場法は1957年(昭和32年法律第106号)にできた法律で、街の駐車場を計画的に整備するしくみと、建物を建てるときに駐車場を設けさせる附置義務のしくみを定めています。国土交通省が整理した改正の経緯によれば、この法律の対象に自動二輪車が追加されたのは2006年の改正です。
つまり約50年のあいだ、バイクは「計画的に駐車場を整備する対象」の外側にありました。いま歩いている街の骨格は、その50年のうちにできあがっています。2006年以降に増えた3,000箇所あまりは、後から積み増した分ということになります。
駐輪場の制度は原付までを想定している
もう一方の受け皿である駐輪場にも、制度の切れ目があります。駐輪場の根拠となる自転車法(自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律・昭和55年法律第87号)が対象とする「自転車等」は、自転車と原動機付自転車まで。道路交通法で自動二輪車に分類されるバイクは、この法律の対象ではありません。
だから自治体の駐輪場は、条例上の受け入れ対象が原付までになっているところが少なくありません。国土交通省は2010年と2011年の通知で、自転車駐車場での自動二輪車の受け入れを積極的に進めるよう自治体へ求めており、2011年の通知では125ccまでの需要が高いことにも触れています。それでも、受け入れの範囲は自治体ごと・施設ごとにばらばらのままです。
実際、排気量が上がるほど選択肢は急に減ります。駐輪場での受け入れ分を含む二輪車駐車場の台数を、受け入れ上限の排気量別に見ると次のようになります。
| 受け入れ上限 | 台数の割合 |
|---|---|
| 50cc以下まで | 46% |
| 125cc以下まで | 31% |
| 250cc以下まで | 1% |
| 400cc以下まで | 0.1% |
| 排気量の限定なし | 22% |
原付一種(50cc以下)なら半分近くのスペースが候補になりますが、軽二輪(126〜250cc)で使えるのは「250cc以下まで」「400cc以下まで」「限定なし」を合わせた2割強です。大型バイクだと「限定なし」の22%が中心になります。看板の表記と排気量区分の読み方は、バイク駐車場と駐輪場の違いで詳しく扱っています。
建物にバイク用の区画を義務づける自治体が少ない
2006年の改正で、自治体は条例によって、一定規模以上の建物を新築するときに自動二輪車の駐車施設を設けるよう義務づけられるようになりました。ただし義務づけるかどうかは自治体の判断です。
国土交通省の資料では、駐車場法に基づく自動二輪車の附置義務条例を導入しているのは11都市(2024年3月現在)で、横浜市・川崎市・大阪市・京都市・神戸市・福岡市などが含まれます。共同住宅への附置を求める条例まで広げても51都市です。裏を返せば、多くの街では商業ビルや店舗がバイク区画を設けるかどうかは任意ということになります。
なお、停める場所がないからといって路上に放置すれば、バイクも放置駐車違反として扱われます。反則金や違反点数はバイクの駐車違反と罰金にまとめています。
出先で停める場所がないときの対処
制度が変わるのを待っているあいだも、今日の用事はやってきます。出先で停める場所が見つからないときに効くのは、次の4つです。
- 候補を1か所に絞らない: 出発前に2〜3か所を用意しておけば、満車でも次へ回れます。1か所しか知らないと、着いてから探し直しになります。
- 徒歩5分まで範囲を広げる: 日本自動車工業会の調査では、駐車場から目的地まで5分(400m)を超えると使われづらくなるという結果が出ています。逆に言えば、徒歩5分の円を許せば候補はかなり増えます。
- 自分の排気量で絞る: 上の表のとおり、原付一種や原付二種(51〜125cc)なら駐輪場の受け入れ枠が使えます。停められない場所を回るより、入れる場所だけを見るほうが速く済みます。
- 時間をずらす: 通勤・通学の時間帯や休日の昼は埋まりやすく、少し早い時間や遅い時間なら空いていることがあります。
大型の商業施設や時間貸し駐車場が二輪の区画を持っていることもあります。ただし「二輪車可」と書かれていても排気量の上限があったり、ロック板が二輪に対応していなかったりします。この見分け方はコインパーキングにバイクは停められるかにまとめました。対応する排気量で絞り込み、いま空いていそうな場所から回りたいときは、bikeaki の地図が使えます。
自宅の周りに停める場所がないとき
出先より根が深いのが、自宅の周りに置き場所がないケースです。ここは探し方より、制度の確認と相談の話になります。
- 自治体の駐輪場の対象車両を確認する: 自転車等駐車場が原付や125ccまで受け入れている場合があります。受け入れ範囲は自治体の条例で決まるので、市区町村の駐輪場ページで対象車両を見るのが早道です。
- 条例と現地表示の食い違いに気をつける: 国土交通省の資料は、条例では「原動機付自転車」となっていても、現地の案内看板には「50cc以下」と書かれている例があると指摘しています。迷ったら管理者に確認します。
- 建物の管理者に相談する: 附置義務条例のある都市では、一定規模以上の建物にバイク用の区画があります。集合住宅なら管理会社や大家に、空いている区画を使えないか相談する筋道があります。
- 要望として声を上げる: 駐輪場を管理する自治体の担当窓口や、よく使う商業施設の管理者に、二輪の区画が欲しい場所と時間帯を具体的に伝えます。どこに需要があるかの具体的な情報は、自治体や施設が整備の優先順位を決める材料になります。
受け入れの線引きは、これから動く可能性もあります。2024年11月に道路交通法施行規則が改正され(2025年4月1日施行)、総排気量50cc超125cc以下で最高出力4.0kW以下の「新基準原付」が道路交通法の一般原動機付自転車に加わりました。国土交通省は同じ日付の通知で、原付を受け入れている駐輪場で新基準原付が停められるよう、規約や運用を確認してほしいと自治体へ求めています。
ライダー同士で解決できる部分もある

箇所数は増えています。2006年度の249箇所から、2023年度末には3,274箇所。それでも「今日、この場所で停められるか」は別の問題です。地図の上に駐車場があっても、着いてみたら満車という空振りは減りません。
足りないのは場所の数だけではなく、いま空いているかどうかの情報です。そしてこちらは、制度が変わるのを待たなくても、走っている人同士で埋められます。
bikeaki(バイク駐車場空き情報)は、ライダーが持ち寄った空き状況を地図の上で共有するサービスです。混み具合は「ガラガラ / あと少し / 満車」の3段階で、曜日と時間帯ごとに見られます。見るだけなら登録は要りません。
空き状況を投稿しても、投稿した本人に直接の得はありません。それでも、寄ったついでにひと言残しておけば、次に同じ場所へ向かうライダーが空振りせずに済みます。停める場所が少ないという条件は当面変わらなくても、探して走り回る距離のほうは、持ち寄った情報の分だけ短くできます。
よくある質問
- バイクの駐車場は増えているのですか?
- 増えています。国土交通省の資料では、自動二輪車が停められる駐車場は2006年度の249箇所から2023年度末に3,274箇所となり、駐輪場での受け入れを含めると5,668箇所です。ただしバイクの台数に対する充足度では四輪との差が残っており、保有1,000台あたりの駐車スペースは自動車71.5台に対し自動二輪車50.8台となっています(2023年度末)。
- 停める場所がないとき、路上に停めてしまってもいいですか?
- 駐車が禁止されている場所に停めれば、バイクも放置駐車違反として扱われます。反則金や違反点数はバイクの駐車違反と罰金にまとめています。見つからないときは、徒歩5分まで範囲を広げる、時間をずらす、自分の排気量で絞って探すといった手を先に試してください。
- バイク駐車場が少ない問題に対して、自分にできることはありますか?
- 2つあります。1つは要望を出すことです。自治体の駐輪場の担当窓口や施設の管理者へ、停める場所が足りない地点と時間帯を具体的に伝えます。もう1つは、行った先の空き状況を共有することです。場所の数がすぐに増えなくても、空いているかどうかが分かれば、探して走り回る距離は減らせます。
空いているバイク駐車場を、地図で
bikeaki は、みんなが投稿した空き情報(ガラガラ / あと少し / 満車)をバイク駐車場の地図にまとめたサービスです。排気量で絞り込めるので、自分のバイクに合う場所だけを探せます。
参考
- 国土交通省 都市局街路交通施設課「自動二輪車等駐車場の現状等について」(令和7年5月)(2026-09-04 参照)
- 国土交通省「街路・連立・新交通:自動二輪車等の駐車対策」(2026-09-04 参照)
- 国土交通省 都市局街路交通施設課「第1回需給マネジメントWG 参考資料 駐車場法等の概要」(駐車場法の改正等の経緯)(2026-09-04 参照)
- e-Gov法令検索「駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)」(2026-09-04 参照)
- e-Gov法令検索「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(昭和五十五年法律第八十七号)」(2026-09-04 参照)
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